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hatamura 「危険学プロジェクト」代表
畑村洋太郎
代表あいさつ

2004年度に私的プロジェクトとして「ドアプロジェクト」を実施した後にも,エレベータ事故, シャッタ事故,プールの吸い込み事故,シュレッダの指切断事故,などさまざまな事故が起こった. これらの事故は人と機械の接し方が変わってきていることがその背景にあると考えられる. これらの起きてはならない事故を防ぐにはプロジェクトの代表者である畑村が提唱してきた 「失敗学」だけでは不十分で,どこにどんな危険があるかを知って行動するための「危険学」が必要である.

そこで,2007年4月から新たに「危険学プロジェクト」を立ち上げ,通常行われている事故調査 などのような狭義の原因究明に限られることなく,事故の防止を最終目標として,社会・組織・ 人間の考え方や行動様式の解明にまで踏み込んだ調査研究を行うことにした.さらに, これらの研究によって得られた知識をもとに,想定される危険を回避する具体的方法の提案まで試みる. これらのプロジェクト活動の成果を社会の共有財産とするため,さまざまな媒体を使って広く世の中に情報発信し, 知識を共有することを目指す.

(1) 本プロジェクトで扱うテーマ
@ 人工物における危険の現況把握:実証実験による力学的現象および原因解明
A 危険に対する人的要因の把握:組織構造の問題点及び思考過程の把握
B 危険に関する知識の情報発信と社会的共有
C 危険回避の試み

(2) 研究グループの構成
グループ(0) 危険と社会(※)
グループ(1), (2),(3) 機械と人間(※)
(旧エレベータ,エスカレータ,機械式駐車場)
グループ(4) ソフトウェアシステム
グループ(5) 設計の思考過程
グループ(6) 医療従事者の行動と思考
グループ(7) 遊具
グループ(8) 絵本『子どものための危険学』配布
グループ(9) 危険学における実態把握(※)
グループ(10) 自然災害(※)
グループ(11) 航空
グループ(12) 原子力(2009年11月に追加)

(注) 上記プロジェクトの趣旨に基づいてこれまで2年間活動してきたが,(※)のテーマについては,
2009年4月に,活動の広がりに合わせたテーマ名に変更した.

(3) プロジェクト概要
・ 期間: 2007年4月から3年間 + 2年間
・ 研究・実験統括: 手塚則雄
・ 事務局: 畑村創造工学研究所 神田分室内
・ 参加者の参加形態: ボランティア/会社よりの派遣,手弁当
・ 協力: 森ビル梶C日産自動車梶C東京エレクトロン梶CJR東日本梶CJR西日本梶C鰹シ井製作所,
新川電機梶C新川センサテクノロジ梶C日本キスラー梶C東芝エレベータ梶C三和ホールディングス梶C
潟gクヤマ,叶X精機,産業技術総合研究所,NHK,読売新聞,講談社,岩波書店,株ィ村創造工学研究所.

(4) 研究日程
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(5) その他 : 以下の各分野の専門家にも参加を仰ぎ,意見を求める.
法律,材料,情報,心理,医療,技術(系譜・その他の助言),損害保険

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会長(畑村洋太郎)略歴

現職 工学院大学 教授

1941年1月8日 (東京生まれ)

1966年 東京大学大学院修士課程修了.(株)日立製作所入社.

1968年 東京大学工学部助手.

1969年 同講師.

1973年 同助教授.

1983年 同教授.

2001年〜  工学院大学教授,畑村創造工学研究所開設.東京大学名誉教授.

2001年〜 科学技術振興機構失敗知識データベース整備事業統括.

2004年 6月〜2005年5月 ドアプロジェクト実施.

2005年 8月〜12月 株式会社日本航空 安全アドバイザリーグループ委員.

2007年 4月〜 危険学プロジェクト実施.

2007年 9月 西日本旅客鉄道株式会社 安全推進有識者会議委員.



現在の活動

ナノ・マイクロ加工,生産加工学,医学支援工学,失敗学・危険学,創造学.
また,実際の設計研究会を主宰し,創造設計原理の研究を行うと共に,
2002年より失敗学会理事長として失敗学の普及を行っている.


主な編・著書:
実際の設計,続・実際の設計,続々・実際の設計─失敗に学ぶ─,実際の情報機器技術,
設計のナレッジマネジメント,実際の設計第4巻?こうして決めた?,実際の設計第5巻-こう企画した-,
実際の設計第6巻-技術を伝える-,ドアプロジェクトに学ぶ−検証回転ドア事故−,
リコールに学ぶ−なぜオシャカを作ったか−(共著)(以上 日刊工業新聞社),
機械創造学(丸善),失敗学のすすめ,日経BP・BizTech図書賞受賞(2001年10月30日),
子どものための失敗学,失敗に学ぶものづくり,創造学のすすめ,危険学のすすめ−ドアプロジェクトに学ぶ−,
失敗学実践講義−だから失敗は繰り返される−,みる わかる 伝える,
危機の経営−サムソンを世界一企業に変えた3つのイノベーション−(以上 講談社),
失敗を生かす仕事術,畑村式「わかる」技術,組織を強くする技術の伝え方,回復力−失敗からの復活−(以上 講談社現代新書),
社長のための失敗学(日本実業出版社),決定版失敗学の法則,決定学の法則(以上 文藝春秋・文春文庫),
リコール学の法則(共著,文藝春秋),起業と倒産の失敗学(文春文庫),
直観でわかる数学,続 直観でわかる数学,技術の創造と設計(以上 岩波書店),数に強くなる(岩波新書),
失敗学事件簿−あの事件から何を学ぶか−(小学館),図解雑学失敗学(ナツメ出版),
NHK出版DVD+BOOKだから失敗は起こる(日本放送出版協会)

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